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ダスト低減、制動力調整が容易に…スポーツパッドへの交換はメリットしかなかった

クルマにとって純正部品がストリートにおいてはベストというのが一般的な考えだが、ブレーキパッドに関しては必ずしもそうとは言い切れない。

まず純正のブレーキパッドは、普通のドライバーが公道をのんびり走ることを想定しているので、ペダルを踏み込む力が弱くても効くように初期制動が強く、そこからさらに踏み込んでも中間域の反応が鈍い。そしてそのまま踏み込んでいくと、すぐにABSが作動してしまうクルマも多い。

最近は衝突被害軽減ブレーキを採用しているクルマが街でも主流になっているが、週末は追突事故が相変わらず目立っている。高速道路ではETCで立ち往生した前走車ができた途端、玉突き事故が発生しているが、その中には衝突被害軽減ブレーキ搭載車も少なくない。

つまり衝突被害軽減ブレーキは「ぶつからないクルマ」などと言われているが実際には、ぶつかっているケースも存在するのだ。それは衝突被害軽減ブレーキが万能ではない、ということを証明する(そもそも自動車メーカーは一定の条件下しか作動しないと言っている)と共に、結局ブレーキは物理的な限界があることを明らかにしてしまったのだ。

いくら強くブレーキを作動させようとしても、タイヤのグリップ以上の制動力は発生しない。そのためABSがあり、衝突被害軽減ブレーキもいくら性能が良くてもタイヤのグリップ、ブレーキの性能以上の制動力は発生できないので、事故る時には事故るのだ。

その点、スポーツパッドの多くは純正パッドより初期制動を抑えており、ブレーキのコントロール性に優れている。もちろんブレーキング初期にペダルを踏む力が弱ければ制動距離は伸びてしまうが、さらに制動力が必要だと強く踏み込んでもABSが作動するまでに余裕がある。

最終的にはフル制動すればABSが作動するのは一緒だが、初期制動が強く掛かりやすい純正パッドになれてしまうと、常に弱くブレーキを踏みがちになるので、いざという時に強くブレーキを踏むことが難しくなる。

ダスト対策もできるが、種類が多いので最適なパッド選びが重要

純正のブレーキパッドはコストの問題もあってブレーキダストも多く、洗車のたびにホイール掃除が面倒だと感じてしまう。これもスポーツパッドでもストリート向きでダスト低減の特性を選べば、かなり改善できる。

実際、今回スバルBRZにプロジェクトμのNC M1というスポーツパッドを装着したのだが、ブレーキ鳴きを抑えるパッド裏のシムをあえて外し、ダイレクト感を追求したこともあって、ペダルタッチなどフィーリングは格段にシャープになり、制動力を踏力でコントロールしやすくなった。

そしてヒール&トゥなどのペダルワークもしやすくなり、一般道での運転も一層楽しくなったのだ。

さらにスポーツパッドに交換することでブレーキパッドの寿命も長くなる傾向にある。純正パッドは柔らかく、ダストも出るがスポーツパッドの多くは硬度が高く、パッドが減りにくいのだ。

事実、筆者は競技用のブレーキパッドをストリートで使い、10万km(最終的にパッドの寿命前に廃車したので、正確な耐久性は不明)を走り切った経験がある。それはブレーキの負担の少ないコンパクトハッチのMT車という条件もあるが、ATでもエンジンブレーキを併用すればパッドは長持ちする。

パッドが長持ちすれば、パッド交換のサイクルが伸びて、工賃なども抑えられるから、純正パッドより部品代が高くてもトータルではほぼ同等のコストになることも珍しくない。

ただしサーキット走行向けのハードなブレーキパッドは、ディスクローターとパッドを温めてやらないと本来の制動力を発揮できないのに加えて、適正温度に達していないパッドをローターに強く当てる(ブレーキペダルを強く踏む)ような使い方をすると、ローターばかり減ってしまう原因にもなるので注意が必要だ。

スポーツパッドは色々なメーカーから様々なブランドでリリースされていて、さらに特性の異なるバリエーションも幅広い。ぜひネットでの評判やメーカーの特性評価などを参考に、自分の乗り方に合ったスポーツパッド選びを楽しんでほしい。

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