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シンプル・イズ・ベストのIMV Originは、アフリカの未来を救うモビリティになるか。トヨタの本気ぶりを感じた

何だ、これは? こんな状態でもモビリティとして成立するのか? IMV Originを見たとき、あくまでもコンセプトカーだと思っていた。本気で作るモビリティじゃない、と。

ところがステージ上で撮影しながら説明員の話を聞いてみたら、驚かされた。

ちょっとよろしいですか。これって、そのコンセプトカーなわけですよね? モーターは今まだついてないっすよね。

「これはデザインまでのモデルで、モーターはついてない状態です」。

想定としては後ろにモーターがつくんですか。それとも4輪ですか。

「まだですね、これをバッテリーEVにするのか、ハイブリッドにするのか、エンジンにするか、それはちょっとあらゆる選択肢として考えたいなと思っていて、どれにも対応できるようにまず車体部分としては検討してるという形です」。

じゃあつまり、このプラモデルでバンダイさんとコラボしたものを原寸大で作ってみたじゃなくて、これはこれで真剣に開発してるってことですね?

「そうですね、真剣にこれは検討して開発しています」。

バンザイさんのプラモデルは、こっちのコンセプトが先にあった上で、あれを今回コラボしてブース展開したということですか。なんか非常にプラモデル向きな車ですよね。プラモデルの周りの枠のランナーをそのまま部品として使えたりとか、すごくアイデアが楽しかったんですけど、こっちが先にあったわけなんですね。これって軽規格なんですか?

「元々そこを狙ったというよりは、安いベーシックなクルマで、最終的に小型で、軽トラに近いサイズで、必要最低限の組み合わせになっていくと、だんだんこれぐらいの大きさにも、結果的にそこに、近づいていくっていうな。

どういうところで、どういう使われ方を想定しているんですか?

「いわゆる自動車がまだ発展してないアフリカ大陸のサブサハラ、真ん中の辺りですね。ほかの国の都市部は結構自動車都市化しています」。

車輪が大きくていいですよね。軽トラよりタイヤが大きい。

「はい。やっぱり結構農村の方向けを考えてるので、荒れた道を走るとか、そういったところはこういう仕様が向いています」。

座席は最低限なら1人でいいですもんね。隣にも人が乗れるように作ろうと思えば作れますよね。

「そうですね。ボディの後ろは、大部分はお客さんが自分で自由にカスタマイズして、使ってもらおうと思っています」。

フロアパネルは2つに分かれてるんですね。

「これは、取り外しをしやすくしています。現地がどういうところかというと、これ実際にアフリカのケニアです」(現地の画像をファイルで見せてくれる)。

「我々、こういうところに行って、現地調査をしながら、このクルマを運転してるんですけど、で、結構荒れた道なので、そのうちの途中で故障しちゃうとかっていうのは、そういう時にジャッキアップもできないものがあると、フロアパネルをボルトで外して、上からアクセスできるようにしてるんです」。

なるほど。

「現地での使われ方では「壊れながら走ってる」みたいなところがあります。我々実際、軽トラをちょっと改造して、これに近い仕様を作ってテストしています」。

なるほど。うん、似てる似てますね。ははぁ軽トラを改造して、色々外しちゃった。

「はい、外しちゃって、運転席にケージだけつけて、これをちょっとケニアに持ち込んでテストしました」。

これで、どこまで使えるかと。で、どうでした?

「これ、まだちょっとあった下回りのところを強化してないので、もう少し下回り強化しなきゃいけないなとか、そういう課題は見えてきてはいるんですけど。あとは、こういう使い方がどこまでお客さんにとって嬉しくて、狙ってる価格帯が受け入れられるかどうか」。

その価格帯っていうのは、どのぐらいですか?

「具体的な価格は正直申し上げられないんですけど、狙ってるのは中古のトラックよりは安く買えて、バイクよりは高いというレベルです」。

大きなトラックの中古よりは安く買えて、バイクよりは当然高くなる。

「今は、最終的に軽トラが近しいねっていうところになってるので、今のテストはまず軽トラをベースに改造している訳です」。

でも、軽自動車にこだわらなくても、それは単純に日本の規格ですもんね。アフリカ持ってった時に別に軽自動車にこだわる必要はないですもんね。

「なので、できるだけここまでシンプルに極限をして、部品を色々外していくことで安くなっていくので。それで、どこまでお客さんが求めるかていうところがバランスするのか。その辺りはこれからまだまだ検討していくことになります」。

なるほどね。ありがとうございました。楽しみですね、これ。日本でもこういう軍用車だったりとか、いろんな乗り物のマニアの人とかにはものすごく受けそうですよね。

「はい、結構そういうニュアンスでかっこいいとか欲しいとか言ってくださる方々がいます」。

プレスブリーフィングの内容からでは、ここまで本気で開発しているとは思えなかったので、驚いた。トヨタは本気でアフリカのモビリティを変えようとしていた。

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