自動車保険料を抑える実践的な方法
自動車保険は安心して運転するために欠かせない存在ですが、補償内容や契約方法によって保険料が大きく変わるのも事実です。そこで今回は、自動車保険料を効果的に抑えるためのポイントについて詳しく解説します。
1. 保険料が高いうちは補償内容を必要最低限に抑える
保険料に最も大きな影響を与えるのが補償内容です。特に保険に新規で加入する人や、運転歴が浅い若年層は、等級が低いため保険料が高額になりがち。そこで重要なのは、最初のうちは補償内容を「必要最低限」に設定することです。
たとえば、「対人・対物賠償」は万一の事故を考えると無制限にするのが基本ですが、それ以外の車両保険や各種特約(弁護士費用特約、レンタカー費用補償など)は、加入するかどうかをよく検討する必要があります。特に中古車や年式の古い車であれば、車両保険は付けないことで、保険料を大きく下げることが可能です。
衝突相手がクルマ同士の場合のみ補償するエコノミー型の車両保険は保険料を安く抑えられますが、実際の事故では相手がいる場合、相手の対物保険から修理代金が支払われることが多いため、あまり加入するメリットはありません。保険の等級が低いうちはあまり高額な車両には乗らず、運転も慎重にして自分が原因で事故を起こさないよう気を付けるのが得策と言えるでしょう。
自分が交通ルールを守って運転していると、周囲のドライバーにもルールを守るのが当然という意識が働き、危険な状況が近づいても「自分はルールを守っている!」と譲らずに衝突事故となってしまうケースも少なくありません。
自分が悪くなくても交通事故を起こせば、運転中であれば過失はゼロにはならないので、事故に遭えば損するのは自分と言い聞かせて防衛運転に徹することが重要です。
また、「運転者限定特約」や「年齢条件」を細かく設定することで保険料の大幅な削減が期待できます。たとえば、運転者を「本人・配偶者のみに限定」し、年齢条件を「35歳以上」に設定するとリスクが低いと見なされ、保険料はグンと安くなります。
免責金額(自己負担額)を上げるのも保険料を下げることにつながります。事故時の自己負担額を増やすと、その分保険料が安くなります。
2. 吐き出し新規を利用して等級を引き継ぐ
保険料を抑える上で非常に有効な方法の一つが「吐き出し新規」です。これは、等級を持っている親族(主に同居の親や配偶者など)から、自分名義でその等級を引き継ぎ、新たに保険契約を始める仕組みです。通常、自動車保険に新規で加入する場合は「6等級」からのスタートとなり、保険料は高めに設定されます。しかし掃き出し新規を活用すれば、親族の高い等級(たとえば20等級)をそのまま引き継ぐことができ、最初から非常に割安な保険料で契約することが可能になります。
この制度を利用するには、主に以下の条件を満たす必要があります。
等級を譲る人が現在の保険を解約または車を手放すこと
契約者が親族(配偶者・同居の親や子など)であること
車の所有者・使用者が新契約者本人になること
親子でクルマを複数台所有するケースでは、この吐き出し新規を利用して親の等級を子が引き継ぎ、親は新規で契約した方がトータルで保険料を安く抑えることができます。親が35歳以上担保、ゴールド免許、運転者を本人・配偶者限定などにすることにより、新規でも保険料を3、4万円に抑えることも可能なのです。
また、保険会社によっては、未婚の子が別居していても引き継ぎ可能な場合があります。利用を検討する際は、等級の引き継ぎが可能かどうかを各社に確認することが重要です。
吐き出し新規はそもそも保険会社が契約者の解約を引き止めるためのサービスのようなものですが、こうして2台所有時に名義を調整することで保険料を安く抑えるためにも使える技となっています。
大企業に勤めていると企業の団体割引を受けられる場合もあります。団体割引は保険料が等級によって割引になった後の金額からさらに割引が受けられるので、非常に低価格で自動車保険に加入できることになります。この団体割引も本人だけでなく家族まで対象の場合もあるので、家族が団体割引を受けられるか確認してみるといいでしょう。
3. 保険会社の乗り換え割引やキャンペーンを活用する
この他にも、インターネット申し込み割引や早期申込割引、証券ペーパーレス割引など、複数の割引制度が用意されているケースもあり、併用することで保険料をさらに抑えることができます。こうした割引制度を最大限に活用するためには、保険比較サイト(例:価格.comや保険スクエアbang!)で複数社の見積もりを取得し、自分に最適なプランを選ぶのが効果的です。
保険料を下げるもう一つの有効な手段が「乗り換え割引」の活用です。これは現在契約している保険会社から他社へ乗り換える際に適用される割引制度で、多くのダイレクト型保険会社(通販型)が導入しています。割引額は会社によって異なりますが、数千円~1万円程度が相場です。
通常、保険料を比較して乗り換えた後はそのまま契約を継続して利用し続けるものですが、毎回保険会社の乗り換えることで乗り換え割を毎年利用する裏技とも言える方法もあります。乗り換えの手続きは必要になりますが、満期で乗り換えれば等級も上昇していくので、グングン保険料が安くなります。
つまりインターネットで契約できる通販型の自動車保険であれば、毎年乗り換え割を利用するのが実は賢い方法なのです。