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【これも迷惑運転の一種】気付かずに事故を呼んでしまう危険な運転とは? ヤバい運転者の走り方 後編

ドライバーの中には「何年もクルマを運転している以上、交通事故や交通違反はある程度仕方ない」と思っている人も一定数いるようだ。それくらい緩い考えであると、運転中の注意力は散漫になり、そういったドライバー同士が遭遇すれば交通事故も起きやすくなる。

そこで自分勝手なルールで走っているドライバーに見られる現象から危険性を解説する。自分や家族の運転を見直し、街で見かける危険なクルマには近付かないなどの自衛手段を考えるヒントにしてほしい。

事故を呼ぶ危険な運転の前半はこちら

6. 運転苦手だけど家族の送迎など仕方なく運転する

「運転苦手だけど家族の送迎など仕方なく運転する」というケースも珍しくない。しかし、運転が苦手という自覚がある人が、必要に迫られて無理に運転することは、事故リスクを常に抱えている状態といえる。

また、運転免許を持っていることを「移動の権利」だと勘違いし、運転することが当然だと考えてしまうと、苦手なことに無理を重ねることになる。本来、運転は免許所有者の義務ではなく責任ある行為であり、不安があるなら代替手段の検討(公共交通機関、タクシー、家族の協力など)も視野に入れた方がいいだろう。

7. 内かけハンドルは楽で便利だと思っている

事故時や急ハンドル時に腕が絡まって対応できないので危険な操作方法。エアバッグ作動時にも危険。

「内かけハンドル」を好む人も少なくないが、これは緊急時に非常に危険な操作方法だ。内側からハンドルを握ると、キックバック急な転舵やエアバッグの展開時に腕が絡まって大けがを負う可能性がある。また、正しい持ち方に比べてハンドル操作の自由度も下がる。正確なステアリング操作ができなければ、カーブや障害物の回避も不安定になる。大きく操舵する時には操作しやすいと感じる人も多いが、その分緻密な操作には向かずどれくらい操舵したか分かりにくい。戻し操作も大きくなりがちなので、クルマがフラフラする原因にもなる。

基本に立ち返り、ハンドルは両手で外側から握る「9時15分」または「10時10分」の位置を意識することが望ましい。

自分では気付かずに内掛けハンドルをしているドライバーも少なくない。

元々パワーステアリングアシストのないクルマでは、操舵力を必要とされていたために内掛けハンドルが重宝されていた。人間の腕力は押すよりも引く方が力が入るからだ。

しかしパワーステアリングが標準化された現代では、ステアリングは押して操舵するのが基本。こうすることで身体がシートに押し付けられるので、より操舵時の操作が安定する。

8. 乗降時にシートポジションを直さない

視界・ブレーキやアクセル操作に支障が出る。疲労や誤操作の原因にもなる。

走り出す前に必ずシート位置・ミラー位置を調整することが大事。特に家族で車を共有している場合は重要。

「乗降時にシートポジションを直さない」ことは問題である。これは多くのドライバーが軽視しがちだが、座席の位置や角度が適切でないと、ブレーキやアクセルの操作が不正確になるばかりか、死角が広がることで危険が増す。とりわけ家族で車を共有している場合、前に乗った人の設定のまま運転することは避けるべきである。自分の体格に合ったポジションを調整することは、安全運転の基本中の基本である。

乗降時と運転時のシートの位置が同じというのは異常だと思った方がいい。よほど長身で手足が長いドライバーならともかく、平均的な身体であれば運転時のドライビングポジションのまま乗り降りするのは適切なドライビングポジションが取れていないことを意味する。 筆者は運転講習のインストラクターもしているが、経験上9割のドライバーはその体格に対してドライビングポジションが遠い傾向にある。

もちろん個人差はあるが、ステアリングに手が届けば運転できると思っているドライバーが本当に多い。実際にはステアリングを操作するたび、シートの背面から身体が離れ、上体がグラグラと不安定になるので、歩道の段差や路面のギャップなどで身体が揺すられると、ステアリングやペダルの操作

またペダルが遠いので斜めに座っているドライバーも見かける。これは腰痛や車両感覚(車線内でフラフラする)に影響がでるだけでなく、ペダル踏み間違いを誘発しやすい。キチンとシートを前後させて、正しい姿勢で運転することは基本中の基本だ。

9. 前のクルマだけを見て運転してしまう

視野が狭くなり、歩行者・信号・交差点状況を見落とす。

前のクルマだけを見て運転してしまう」という傾向も、現代の渋滞社会ではよく見られる。しかし、前車ばかりに注意が向いていると、信号や標識の見落とし、横断歩道上の歩行者の発見遅れなど、危険が多くなる。また、車間距離を適切に保つ意識も薄れがちになる。車間距離も短めとなり、前走車よりさらに前のクルマの動きを見ていないので、前走車の急ブレーキにも対応できない。

視野を狭めず、常に左右・後方にも意識を配ることで、安全な走行環境を保つことができる。これは無灯火運転しがちなドライバーに多く、車間距離や速度感覚も希薄で、

常に「先・周囲・ミラー」を意識して視野を広く持つ。前車だけでなく、周囲を読んだ運転を心がけよう。

10. 自転車でも歩行者と同じ気持ちで自由に走る

自転車は「車両」であり、信号・通行区分などを守らないと重大事故に直結する。自転車も交通法規を守ること。特に禁止されている歩道走行(実際には多くの歩道は自転車通行可だ)や逆走は絶対に避ける。

「自転車でも歩行者と同じ気持ちで自由に走る」ことは非常に問題がある。まず自転車は道路交通法上「軽車両」に分類され、車道通行や信号遵守が義務付けられている。それにもかかわらず、車道の逆走や赤信号無視、交差点での急な方向転換など、自由に走ることを当然とする行為が多発している。

こうした無秩序な運転は、自らの事故リスクだけでなく、車と歩行者の両方に危害を及ぼす。自転車も交通の一部であるという認識を持ち、法規を遵守する必要がある。

歩行者とて道交法では一定の制限があるが、自転車はそれ以上に厳しいルールが定められている。歩行者感覚で自転車に乗るのはもう許されない時代なのだ。

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