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クルマ好きは「壊れるのが怖い派」と「怖くない派」にの2つに分かれる!

クルマが好きな人を見ていると、大きく二つのタイプに分かれるのに気づく。

ひとつは「壊れるのが怖い派」。もうひとつは「壊れるのが怖くない派」だ。

どちらもクルマを愛している点では共通だが、クルマ選びや楽しみ方はまったく違ってくる。

「壊れるのが怖くない派」──トラブルも含めて楽しむ人たち

このタイプの人たちは、クルマに何かトラブルが起きても「それもまた味だ」と受け入れる。

イタリア車やフランス車など、個性的だが電装系や細かな部品に弱点があるブランドを平気で選ぶし、旧車の世界にも抵抗がない。

たとえばローバーミニ、フィアット500のクラシックモデルやアルファロメオのV6モデル、ルノー5ターボ、古いシトロエンDSなど。これらの車は、乗り味やデザインの魅力は唯一無二だが、整備性や信頼性の面では国産車やドイツ車に劣ることがある。

部品が欠品していたり、独特の構造ゆえに修理工場を選ぶ必要があったりする。それでも彼らはその苦労を臆さない。むしろ「部品を探す」「修理方法を調べる」「信頼できるメカニックと付き合う」といったプロセスを、ひとつの趣味として楽しむ。

旧車の世界は、故障のリスクがつきものだ。ゴム部品の劣化、電装トラブル、キャブレターの調整……。それでも「手をかければ必ず応えてくれる」、「自分だけの一台を維持している満足感」が大きく、彼らはそこに価値を感じている。

また、壊れることを前提にしているからこそ、セカンドカーを用意したり、出先でのトラブルに備えてレッカーサービスや輸入車対応のロードサービスに加入するなど、備えが自然と身についている。

「壊れるのが怖い派」──移動の安心を第一に考える人たち

一方で「壊れるのは絶対に嫌だ」という人もいる。クルマは好きだが、休日のドライブや通勤の足として使う上で、予期せぬトラブルに時間もお金も割きたくない。

こうした人は信頼性の高い国産車や、品質管理の安定したドイツ車を新車または新しめの中古車で選ぶ傾向がある。

とくに日本車は、耐久性・部品供給・ディーラーのサポート体制が非常に優れている。定期的なメンテナンスさえ行っていれば、10万km以上ほとんど故障知らずで走れる車種も珍しくない。

また、メルセデス・ベンツやBMW、アウディなどドイツ勢も、近年は電子制御系が複雑になってきたものの、5年以内の新車保証や延長保証が充実しており、初期不良や大きなトラブルのリスクは低い。

したがって「怖い派」がよく行うのが「短いサイクルでの乗り換え」だ。新車から3~5年で乗り換えれば、メーカー保証が切れる前に次のクルマへ移行できる。

これにより、突発的な故障で高額修理を迫られるリスクを回避できる。またリセールバリューが高いうちに売ることもでき、経済的にも一定の合理性がある。

両者の価値観の違いは「クルマに何を求めるか」

この2タイプの分かれ道は、結局のところ「クルマをどう楽しむか」という価値観だ。

怖くない派は、クルマを“趣味”としてとことん楽しむ。デザインや走りの個性、ブランドのストーリー、メカいじりの喜びに魅力を感じ、トラブルを想定した時間や費用も「趣味の一環」と考える。

一方、怖い派は“移動手段としての快適さと安心感”を最優先する。クルマが好きでも、それは「最新の安全装備や滑らかな乗り心地、先進的なデザインを楽しむ」という方向であり、余計なトラブルに時間を奪われたくない。

整備工場探しや部品の調達はストレスでしかなく、休日のレジャーや忙しい日常の足を止める要素はできるだけ排除したいのだ。

クルマ社会の背景が選択を後押しする

この分かれ方には、日本のカーライフ環境も大きく影響している。都市部では車が必需品ではないため、趣味性の高い旧車や輸入車を選んでじっくり楽しむ人が一定数いる。

逆に地方では、クルマは生活インフラだ。故障で数日動けないと通勤や買い物に支障が出るため、信頼性を最優先にするのは自然だろう。ただし住環境には余裕があり多頭飼いもしやすいので、セカンドカーとして故障しにくい国産車を確保して足車にしている人も多い。維持費はかかるが、これは充実している。

一方でSNSやYouTubeの普及により、旧車のレストアや輸入車のトラブル事例が共有され、修理ノウハウも手に入りやすくなった。これが「怖くない派」を後押ししている面もありそうだ。

どちらのタイプが正しいということはない。壊れるリスクを受け入れてでも自分好みの一台に乗るのか、安心と快適さを重視して新しいクルマに乗り継ぐのか。

大切なのは、自分のカーライフに合った選び方を知り、覚悟を持ってクルマを楽しむことだ。

「壊れるのが怖いか、怖くないか」。この問いは、クルマ好きにとって自分のクルマへの価値観を映す鏡のようなものだろう。どちらを選んでも、愛車との時間が充実していれば、それが正解なのだ。

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